給与明細の6月を理解する

住民税はいつから
引かれる?

住民税は「今月の給与」ではなく、前年の所得を基に決まります。所得税との違い、6月開始、転職・退職時の扱いを整理します。

前年所得・翌年度課税

執筆・編集:いまいくら編集部 最終確認:2026年9月3日 対象:日本の個人住民税の一般的な仕組み

均等割、超過課税、非課税基準、控除は自治体・家族構成等で異なります。確定額は市区町村の税額通知をご確認ください。

住民税は前年の所得に対する税金

個人住民税は、都道府県民税と市町村民税(東京23区では特別区民税・都民税)を合わせた地方税です。原則として、その年の1月1日に住所がある市区町村が、前年1月1日から12月31日までの所得や控除を基に翌年度分を計算します。

たとえば2026年中の給与所得は、原則として2027年度の住民税に反映されます。所得税の2026年分と住民税の2026年度を同じ期間だと考えると、控除や制度改正の適用時期を誤りやすいため注意が必要です。

会社員の住民税が決まる流れ

011年間の所得が確定

勤務先の給与支払報告書、本人の確定申告・住民税申告などから前年所得と控除を確認します。

021月1日の住所地が税額を計算

所得割、均等割、税額控除、森林環境税などを基に翌年度の年税額を決定します。

035月頃に税額通知

特別徴収の場合、自治体から勤務先へ税額通知が届き、本人用通知も勤務先を通じて交付されます。

046月から翌年5月まで天引き

年税額を原則12回に分けて給与から控除します。端数の関係で6月分と7月以降が異なる場合があります。

所得割・均等割・森林環境税

所得割は前年の課税所得に税率を掛け、調整控除や寄附金税額控除、住宅ローン控除などを差し引いて計算します。標準税率は市町村民税と都道府県民税を合わせて10%ですが、政令指定都市への税源移譲や自治体独自の超過課税などがあるため、表示内訳は自治体によって異なる場合があります。

均等割は所得割とは別に定額で課税されます。さらに2024年度からは、国税である森林環境税(年額1,000円)が個人住民税の均等割と合わせて徴収されています。非課税に該当する場合は、所得割・均等割・森林環境税の扱いが変わります。

新卒・入社1年目に住民税が少ない理由

前年に課税対象となる所得がなかった新卒者などは、入社した年の6月から天引きする住民税がないことがあります。その年に給与を受け取ると、翌年6月から前年所得に対する住民税の天引きが始まります。昇給していなくても手取りが減るため、初年度の手取りだけを基準に生活費を固定しないことが大切です。

前年にアルバイト収入があった場合、他の自治体から転入した場合、海外から帰国した場合などは、初年度でも課税・納付が生じることがあります。

転職・退職したときの住民税

転職先が手続きを行えば、特別徴収を新しい勤務先で継続できる場合があります。継続しない場合は、自治体から送られる納付書や口座振替で本人が納める普通徴収へ切り替わります。

1月1日から4月30日までに退職する場合、原則として退職月から5月分までの未徴収税額を最終給与や退職手当から一括徴収します。6月から12月に退職する場合は、本人の申出等により一括徴収できるほか、普通徴収へ切り替わる場合があります。最終給与を超えるなど一括徴収できない場合もあるため、勤務先と自治体の案内を確認してください。

ふるさと納税・住宅ローン控除はどこに反映される?

ふるさと納税の寄附金税額控除は、確定申告またはワンストップ特例の手続き後、主に翌年度の住民税から差し引かれます。住宅ローン控除は所得税から引き切れない一定額が翌年度の住民税から控除される場合があります。税額通知の「税額控除額」や摘要欄で反映状況を確認してください。

住民税が非課税になる基準は全国一律ではない

所得割・均等割の非課税限度額は、扶養人数、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親への該当、自治体の級地区分などで異なります。「年収○万円なら全国どこでも住民税ゼロ」とは断定できません。給与収入だけか、他の所得があるかでも計算は変わります。

住民税非課税世帯の判定では、世帯全員の課税状況や基準日も関係します。個人の住民税が非課税であることと、すべての給付制度で「住民税非課税世帯」に該当することは同じではありません。

住民税の年額・月額を確認

前年の給与収入、社会保険料、扶養などを入力すると、住民税年額と給与からの月額天引きの概算を確認できます。自治体独自の超過課税やすべての税額控除を再現するものではないため、最終的には自治体の決定通知を優先してください。

住民税の年額・月額計算

前年所得から6月・7月以降の天引き額を概算。

住民税を計算する

よくある質問

住民税はいつの年収に対してかかりますか?

住民税は原則として前年1月1日から12月31日までの所得を基に、翌年度分が計算されます。会社員の特別徴収では通常、翌年6月からさらに翌年5月まで給与から天引きされます。

新卒1年目に住民税が引かれないのはなぜですか?

前年に課税対象となる所得がなければ、入社した年の6月から天引きする住民税がないためです。入社した年に給与所得が生じると、翌年6月から住民税の天引きが始まり、同じ給与でも手取りが減ることがあります。

住民税は全国どこでも同じ金額ですか?

標準的な所得割率は広く共通していますが、均等割、独自の超過課税、非課税限度額、税額控除などは自治体や条件で異なる場合があります。1月1日時点の住所地の自治体が課税します。

退職したら残りの住民税はどうなりますか?

退職時期や本人の希望、転職先での継続可否により、最終給与等から一括徴収する、転職先で特別徴収を継続する、納付書で普通徴収するなどの扱いがあります。退職しても前年所得に対する税額そのものがなくなるわけではありません。

関連する計算・ガイド

参照した公的資料(2026年9月3日確認)
総務省「個人住民税」総務省「森林環境税及び森林環境譲与税」横浜市「個人の市民税・県民税」横浜市「令和8年度税制改正(個人住民税)」

誤りや制度更新の反映漏れは、お問い合わせ・訂正窓口から報告できます。